東京都社会福祉協議会（東社協）は、「経済不況の授産施設・福祉作業所への影響に関するアンケート調査」を4月から5月にかけて緊急に行い、調査結果を発表しました。調査項目は、 @事業種別、A授産・生産活動の内容、Bこの半年間の受注の変化、Cこの半年間の独自製品の売上の変化、C受注や売上の減少に伴う影響、D21 年４月の作業所利用希望者数の前年度との比較、E経済不況が利用者に与えている影響、F施設・作業所等の運営に与えている影響、G経済不況の影響を受けて、施設・作業所等で行っている工夫、H経済不況の影響に対して必要な支援策、などです。報告書は、
東社協のホームページに掲載されています。
東社協発行の「月刊福祉広報」（2009年6月号）によりますと、経済不況のあおりが障害福祉施設の授産・生産活動に表れています。この「月刊福祉広報」によると、「調査結果報告書」から次のような課題があげています。
- 企業から受注が減り、手空きの時間が増えている（知的・授産施設）
- 発注元から単価の引き下げを迫られた（身体・授産施設）
- 作業確保のため職員が外に出ることが多く、利用者との関わりが減った（知的・授産施設）
- 作業がなく、半日を散歩やビデオ鑑賞にあてている（知的・就労継続事業）
- 小麦粉やガソリン代の高騰で材料費が上がり、売上も落ちている（精神・作業所）
- 年金と工賃による地域生活が急激に困難に陥っている（三障害・就労継続事業）
- 作業が減り工賃を下げざるを得ないため、新体系への移行を断念した（知的・作業所）
- 商品が売れないことに利用者が失望感を感じている（身体・授産施設）
- 仕事がない状態で利用者はお互いが気になり、トラブルが起こりがち（知的・授産施設）
- 作業が全くない日は利用者も帰ってしまう。生活リズムも崩れて、この先、取り戻せるかが心配（精
神・作業所）
- 不況により家族の収入も減り、利用料が負担になる人もいる（精神・就労継続事業）
- 節約しなければと思い込み、過敏になっている（精神・作業所）
- 官公庁の印刷物の落札価格が低く、生産効率を上げるのも限界（精神・授産施設）