【推薦のことば】
この本には、永井さんが接した仲間たちの、感動的な話がたくさん語られている。第三章の「また会う日まで」、第四章の「風のレポート」のさまざまな話から、我々医師の知らないてんかんを病む人たちの現実の姿が見えてくる。これらの章はリリシズムに満ちた筆致で書かれ、心にしみる文章である。特に第六章「星になった友へ」は、美しい描写とともに涙を誘う。まさにそれはてんかんを病みながら逝った人へのレクイエムである。
「患者にとっては、最良の抗てんかん薬の処方を得ることができれば 後は治し方より生き方、より良く生きる方法を話し合える医師に出会うことが最高のてんかん医療だと思います」という永井さんの言葉は、我々医療に携わる者に、てんかん医療はどうあるべきかを示唆しているとも言える。関係する全ての人に読んでほしい本である。
埼玉医科大学学長 山内俊雄（日本てんかん協会監事）
《著者から栃木県支部に届いた手紙より》
二十年余もの間、エッセイに小説に評論にと書き溜めてあったものをついに一冊の本にしました．本日謹んで一冊お贈りします。
私が長野県支部事務局長だったのは、一九八三年三月から−九九五年までの十二年間で、後任の塚田一男さんもすでに十二年になろうとしています。
従って私が書いたものは、もう古い昔の一支部の話に過ぎないかも知れませんが、登場する会員たちの気持ちは二〇〇七年の今に通じる、いとしく懐かしいものではないかと思います。
※本来なら「読後感想」で紹介したいところですが、山内俊雄先生「推薦のことば」を紹介し、「新刊紹介」とさせていただきました。著者より栃木県支部に１冊にお送りいただきました。 (2007.5.9)
