発達障害白書2007　BookHakusho2007.htm

　「発達障害」というと、発達障害者支援法第２条の発達障害の定義のように、知的障害を除いた自閉症やアスペルガー症候群などの白書と思う方もいるかも知れません。精神薄弱、知的障害と言われていた頃からこの白書を知っている方も多いと思います。この白書のはじめにも、発達障害の定義の混乱や知的障害の定義がないことが指摘されています。
　従来のこの白書とはかなりスタイルを変えたため、「リニューアルにあたって」というまえがきがあります。白書なんて専門家が読むものと思っている方もいると思いますが、このリニューアルで、縦書きから横書きになったことや、CDｰROMの資料集が付いたことなどの形の上の変貌だけでなく、全部を読んだわけではありませんが、以前のものと比べて障害児者の親でも読みやすくなった気がします。編集責任者のＭ氏が本書のまえがきで述べているように「情念と多弁の団塊世代の運動家に編集責任者がバトンタッチ」したせいかもしれません。
　小説と違い、一気に読める本ではありませんが、どこからでも興味のあるところから読める本です。全体の内容についての感想は十分述べられませんが、障害者自立支援法、障害者の地域生活、障害者権利擁護などを意識させる内容です。（2007.1）